ストロークスピードとバネレート
のぐりんさんから大変良いご質問を頂きました。
峠でベストだと、高速での走安性が不安・・・
まさにご指摘の通りです。
日本の峠のような低荷重域(伊豆スカとかターンパイクとかの高速コーナーは別ね)をターゲットとして、セッティングをして行くとどうしてもバネレートは低めになりがちです。
今の自分がまさにそうですね。
先日の伊豆スカ、亀石から冷川区間の3速で回るコーナーだとリアがフワ付きます。
これ、覚悟の上でした。
もし、フロントがフワ付くようだと前輪に荷重が掛けられていない事になります。
自分の場合、R1000の様な前に荷重を掛ける乗り方をしているので、フロントは落ち着いています。
恐らくバネレート1.00kgの領域を使えてるのだろうと思います。
荷重の掛け方次第でも、この辺のフィーリングは相当変わってきます。
でも、やはり欲が出てリアサスのレートアップを・・まあ、じっくり検討します。
どうしても、低荷重域でのスプリングの動きを重視すると、高荷重域でのスプリングの動きと合いません。
これ、相当色々やって見たのですが、やはり難しいです。
例えばGSF純正の2段レートのフォークスプリングだと、まったりと高速コーナーでストロークしている前後で、レートが0.76kgから1.00kgに立ち上がります。
そうなると、動きがおかしくなってバタバタする感じです。
これは、レートが変わるスプリングでは消しようが無い特性ですね。
なのでサーキットではシングルレートが一般的だと思います。
また、GSFのリアスプリングは現状8.0kg/mm。
飛ばせば飛ばすほどクリップ前後で底付きします。
現に伊豆スカを飛ばすと、既にバンプラバーに当たっています。
ストロークセンサー代わりのOリングがバンプラバーにめり込んでいる状況です。
こうなると、高速コーナーでリアもフワフワします。
底付きして挙動がおかしくなるのも原因でしょう。
前後がフワフワで走って行くんですね。
良く、公道だと安全マージンが・・とか言われますが、ストロークしないサスの方が余程危険です。
フロントもリアもフルバンプでもバンプラバーもあるし、オイルロックピースがあります。
そうそう壊れることは無いと思いますし、乗りこなす喜びはこちらが圧倒的に上です。
まあ、これを乗りこなして行くのも大変楽しいのですが、やはりもう少しシットリして欲しいです。
その場合、やはりスプリングを上げます。
スズキの逆車ディーラーのモトマップでは、全日本に参戦中のGSXR600とGSXR1000のサスセッティングデータを公開しています。
スズキ全日本組のバネレートを見てみましょう。
ST600だとフロント0.95kg、リアが10kg前後です。
JSB1000だとフロント1.00kg、リアが12kg前後です。
如何でしょうか?
減衰はあくまでも補助的な要素なので、全日本クラスの思いきり荷重を掛けるバイクでも、この程度のバネレートなのです。
まあ、リアはリンク比もあるので参考値に過ぎませんが・・・
スリックタイヤでフルブレンボのJSBマシンでもフォークスプリングは1.00kg程度です。
なので、公道レベルではストロークスピードを考えて、600クラスでF0.85kg、リア8kg程度で十分では無いかと考えています。
バネレートはストロークスピードを管理するのです。
特に伸びる方向が重要です。
低いレートだと伸びるスピードが遅くなります。
そうなると、路面のギャップにサスのストロークが付いていけなくなり、接地感が無くなるのです。
高いレートになると、沈んだ後に伸びるスピードも速くなるので、路面の追従性も向上します。
この立ち上がるスピードをコントロールするのは至難の技です。
最新のサスだと、高速側と低速側の2種類減衰調整が付いていますが、まさにこれを実現したい・・と言う欲求の表れなんです。
でも、やはりバネの動きを減衰で完全にコントロールする事は難しいです。
レートの低いバネで、高荷重域をコントロールするのは不可能ですし、レートの高いバネで低い荷重域の乗り心地を確保するのも困難です。
お互いに矛盾する要素だと思います。
なので、自分がどの様なステージで気持ち良く走りたいかを検討し、その設定を中心セッティングとし、後は上下に幅を持たせるようなセッティング・・が現状ではベストでは無いかと思います。
なので、公道セッティングは難しいんですね。
もし、自分がサーキットをGSFで走るなら簡単にセット出します。
フロント0.90kg、リア9.0kg。これでひたすら走りこみます。
後はフォークオイル、油面調整で十分。
サーキットのセッティングの方がシンプルで分かり易い。
公道だと、低荷重から高荷重までを合わせなければなりません。
大変です。
足回りはサーキットセッティングの方が楽なんですよね~
サーキット走ってみたくなってきたな・・・楽だしw
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峠でベストだと、高速での走安性が不安・・・
まさにご指摘の通りです。
日本の峠のような低荷重域(伊豆スカとかターンパイクとかの高速コーナーは別ね)をターゲットとして、セッティングをして行くとどうしてもバネレートは低めになりがちです。
今の自分がまさにそうですね。
先日の伊豆スカ、亀石から冷川区間の3速で回るコーナーだとリアがフワ付きます。
これ、覚悟の上でした。
もし、フロントがフワ付くようだと前輪に荷重が掛けられていない事になります。
自分の場合、R1000の様な前に荷重を掛ける乗り方をしているので、フロントは落ち着いています。
恐らくバネレート1.00kgの領域を使えてるのだろうと思います。
荷重の掛け方次第でも、この辺のフィーリングは相当変わってきます。
でも、やはり欲が出てリアサスのレートアップを・・まあ、じっくり検討します。
どうしても、低荷重域でのスプリングの動きを重視すると、高荷重域でのスプリングの動きと合いません。
これ、相当色々やって見たのですが、やはり難しいです。
例えばGSF純正の2段レートのフォークスプリングだと、まったりと高速コーナーでストロークしている前後で、レートが0.76kgから1.00kgに立ち上がります。
そうなると、動きがおかしくなってバタバタする感じです。
これは、レートが変わるスプリングでは消しようが無い特性ですね。
なのでサーキットではシングルレートが一般的だと思います。
また、GSFのリアスプリングは現状8.0kg/mm。
飛ばせば飛ばすほどクリップ前後で底付きします。
現に伊豆スカを飛ばすと、既にバンプラバーに当たっています。
ストロークセンサー代わりのOリングがバンプラバーにめり込んでいる状況です。
こうなると、高速コーナーでリアもフワフワします。
底付きして挙動がおかしくなるのも原因でしょう。
前後がフワフワで走って行くんですね。
良く、公道だと安全マージンが・・とか言われますが、ストロークしないサスの方が余程危険です。
フロントもリアもフルバンプでもバンプラバーもあるし、オイルロックピースがあります。
そうそう壊れることは無いと思いますし、乗りこなす喜びはこちらが圧倒的に上です。
まあ、これを乗りこなして行くのも大変楽しいのですが、やはりもう少しシットリして欲しいです。
その場合、やはりスプリングを上げます。
スズキの逆車ディーラーのモトマップでは、全日本に参戦中のGSXR600とGSXR1000のサスセッティングデータを公開しています。
スズキ全日本組のバネレートを見てみましょう。
ST600だとフロント0.95kg、リアが10kg前後です。
JSB1000だとフロント1.00kg、リアが12kg前後です。
如何でしょうか?
減衰はあくまでも補助的な要素なので、全日本クラスの思いきり荷重を掛けるバイクでも、この程度のバネレートなのです。
まあ、リアはリンク比もあるので参考値に過ぎませんが・・・
スリックタイヤでフルブレンボのJSBマシンでもフォークスプリングは1.00kg程度です。
なので、公道レベルではストロークスピードを考えて、600クラスでF0.85kg、リア8kg程度で十分では無いかと考えています。
バネレートはストロークスピードを管理するのです。
特に伸びる方向が重要です。
低いレートだと伸びるスピードが遅くなります。
そうなると、路面のギャップにサスのストロークが付いていけなくなり、接地感が無くなるのです。
高いレートになると、沈んだ後に伸びるスピードも速くなるので、路面の追従性も向上します。
この立ち上がるスピードをコントロールするのは至難の技です。
最新のサスだと、高速側と低速側の2種類減衰調整が付いていますが、まさにこれを実現したい・・と言う欲求の表れなんです。
でも、やはりバネの動きを減衰で完全にコントロールする事は難しいです。
レートの低いバネで、高荷重域をコントロールするのは不可能ですし、レートの高いバネで低い荷重域の乗り心地を確保するのも困難です。
お互いに矛盾する要素だと思います。
なので、自分がどの様なステージで気持ち良く走りたいかを検討し、その設定を中心セッティングとし、後は上下に幅を持たせるようなセッティング・・が現状ではベストでは無いかと思います。
なので、公道セッティングは難しいんですね。
もし、自分がサーキットをGSFで走るなら簡単にセット出します。
フロント0.90kg、リア9.0kg。これでひたすら走りこみます。
後はフォークオイル、油面調整で十分。
サーキットのセッティングの方がシンプルで分かり易い。
公道だと、低荷重から高荷重までを合わせなければなりません。
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コメント
前記事で1GはFは1/3、Rは30%とあったので、実行してます。
Bandit1200SFEにサイドパニアですが、ほんと難しいですよね。
リア可動域が136mmなので1G`で10mm、1Gで30mmにしてますが、それだとプリロード2段アップ(7段中6段)で奧までサスが入りません。
減衰抜くとバンク中にリアタイヤが抜ける感じです。
フロントのプリロードを上げてリアに車体過重がかかるようにしてますが、なかなか難しいものですね。
(・ω・)/
2009-03-05 11:24 タッチ URL 編集
コメント有難うございます。
バンの最終型、水冷バンは皆さん足が固いようなインプレを拝見しますが、リンク比等が変わっているのでしょうか?興味あります。
GSFの純正リアスプリングは推定8kg~8.9kgらしいです。
油冷最終型は13kgと言うクマガスさんのお話もあり、興味シンシンです。
バンディットは初期型から最終までにどの様なリアサスの推移があったのでしょうね?
具体的にリアサスのストロークを実測されてみると、よりセッティングが見えてくると思います。
髪ゴムをリアサスのロッドに結びつけるだけです。
それで、ツーリング中眺める楽しみも生まれますので、楽しいと思いますw。
2009-03-05 14:36 つるりん URL 編集
恐らくK5型まではGSFと同様の仕様、K6K7はハヤブサ並みのリンク比・・・と言う事なのでしょう。
でも、アフターサス等だとバンディット共通でラインナップがあるものもあるようです。
これ、バネレートが異常に高いサスをK5以前のモデルに付けてしまうライダーもいるんじゃ無いでしょうか?
恐ろしいですね。
やはりK6以降のリアのバネレートは11kg位が宜しいのでは無いでしょうか?
2009-03-05 15:02 つるりん URL 編集
リアサス
2009-03-05 16:34 クマガス URL 編集
参考にさせてもらいます。
まったくもって闇だったサスの仕様が見えて来た感じです。取りあえずの数値でも有ると無いとでは大違いです。
しかしみなさん良く調べられてますね、感心します。
2009-03-05 16:52 KATU URL 編集
リアサス外して、イニシャル最弱状態で36mmでしょうか?
それ、かなり短か過ぎのような気がします。
通常、リアサスのストローク幅はロッドの長さで60mm前後はあるはず。
0G状態(伸び切り状態)から36mmと言うのは??ですね。
36分の6mmならストロークしてない気がしますが、60分の6mmならまあまあだと思います。
いずれにしても、ロッドの長さが60mm程度無いのが不思議ですね。
自分のクアンタムだと、空車1G状態でも40mm以上ストローク幅がありそうです。
今度測定してみますね。
ナイトロンから今度水冷バン用のサスが出たようなので、そのバネレートが参考になるかと思います。
2009-03-05 17:51 つるりん URL 編集
いや~皆さん勉強熱心でw
しかし、これだけバンK6や水冷バン乗りのライダーが固いと思っていると言う事は、相当硬いんでしょうね。
今度スズキの試乗にでも行ってみましょうかねw
KATUさんが水冷バン
クマガスさんがK6ファイナル
タッチさんもK6ファイナル
皆さん同様の状況なのでしょうね。
しかし、アフターサスメーカーによっては、K5もK6も同じ商品をラインナップしてますよね。
これで良いのだろうか?
知らないのでしょうかね・・・
2009-03-05 17:54 つるりん URL 編集
リヤサス
バンプラバーの厚みが25mmあるので その分ですかね それともリンクのレバー比の関連ですかね
あとナイトロンにラインナップはあるそうですが 特注品でない限りスプリングの硬さは同等だそうです
2009-03-05 18:38 クマガス URL 編集
う~ん、ストローク量のデータはありませんね・・
08のCBR1000とかですと異常にストローク量が短そうですが、これはサスの仕組みが違う要素も大きそうです。
08のハヤブサはオーリンズだとストローク量はやはり60mm前後あるようです。
純正のバンプラバーはフニャフニャなのでしょうかね?
36mm+25mm=61mm・・・
確かに60mmは確保されますが・・・微妙な数値ですね。
いずれにしても、残スト6mmは路面のギャップにドカンと当たったりした、本当に底付きの際の数値だと思うので、通常峠とかを走った際の残ストが大切です。
それが何ミリ位あるかが重要だと思います。
願わくば、髪ゴムを用意頂き、峠を走る前に端っこを引っ張って上に持って行き、峠を走り終わった際に確認されてみると宜しいかと。
ここでのストローク量が極めて重要です。
2009-03-05 20:36 つるりん URL 編集
妄想が膨らみます。
嫁には事後報告で…買ってしまったものはしょうがない作戦決行か?
2009-03-06 10:20 KATU URL 編集
(->o<-)ゞ
あまりにピョンガツンなので1Gは40mmになりますがRプリを+2から+1にしました。
コメントに、同じ悩みの方が沢山いると知りました。
スプリング交換だと高いでしょうし、それならいつかはサス交換かなぁと。
でも、もしかしたら誰か先にスプリング交換をして、K6~オーナーに道を開いてくれるかも!?と、人任せな希望をチョッチ持ってます。
(試した方はぜひともココで公開の程を....)
つるりん様
コアな話題、いつも楽しく読んでいます。
必ず答えまで導き出しての記事、商業的某雑誌なぞ足元に及ばぬ内容。
頑張ってください!
できたら....K6に乗り換えてやってくれたら...(爆)
2009-03-06 12:38 タッチ URL 編集
多分ナイトロンはクワンタムと一緒で、仕様変更のコストは購入時には掛からないのだろうと思っておりました。
やはりこうでなくちゃ・・ですね!
しかし、強行突破作戦を考えられているようで、ドキドキですねw
難攻不落な戦線を突破されん事をお祈りしております!
インプレもお願いしますね!
2009-03-06 20:26 つるりん URL 編集
ピョンガッツンは良くないですね~
ストンとか、スッとかの擬音なら最高ですw
スプリングですが、ワンオフでもかなり手頃な値段で作れそうです。
今後、検討課題のひとつに考えております。
また記事にします。
しかし、バンディット乗りの方は意外と情報が少ないのだろうな~とちょっと検索して思いました。
特にK6以降・・・
水冷も・・・
良いバイクなのだから、キチンとセッティング出して更に走り込みたいですよね。
スイングアームが伸びている所が気になっています。
自分も20mm程度スイングアームを伸ばしてみたい気がしています。
2009-03-06 20:29 つるりん URL 編集