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2009/08/02

ケース内減圧、取りあえずのまとめ

昨今の議論にて、随分自分の中でケース内減圧についてまとまって来ました。

まだまだ理解が足りませんし、排気負圧による減圧のインプレもまだですが、事前に学習した事をまとめてみますね。

ご指摘、ご意見頂ければ幸いです。

ケース内減圧の目的

・クランクケース内部に発生するポンピングロスの要因となる気体とは、ピストンの上下動により燃焼室側からクランクケース内に侵入する未燃焼ガス(圧縮工程時)、および燃焼時のいわゆる排気ガス(排気工程時)の2種類が主にあるのでは無いだろうか。
ブローバイガスと言われるものには、上記2種類の気体があるのかと思います。

クランクやピストンをスムーズに回転させる事が目的であり、フリクションロスの為に減圧をする。
これは、ピストンとピストンリング、シリンダー内壁の状態に左右される。
小排気量車や最新のエンジンだと、もともと漏れる気体の量が少ない為(効率が高い為)に上記気体の発生する可能性が低い可能性がある。

逆に、空冷エンジンや距離を走ってピストンとシリンダーのクリアランスが広がったエンジンの場合、比較的ケース内圧が高まる可能性がある為に、減圧のメリットが期待出来るのでは。

良く小排気量車や最新のSSに排圧機能のみの調整バルブを装着しているライダーが「効果が無い」とインプレされているが、上記のガスの発生状況を考えればおのずと理解出来る。

減圧の方法について

1.KTM純正バルブやNAGの通常型である汎用内圧コントロールバルブのような調整型
2.吸気負圧によるケース内圧を積極的に減圧する方法
3.NAGのエアショット型クランクケース内圧コントロールバルブに代表される、排気負圧によるケース内圧の積極減圧方法。(ヤマハM1もコレらしい)
4.ポンプを動かす事によって、積極的にケース内圧を減圧する方法。カワサキのモトGPマシンやF1マシン等。(ポンプの動力は電気だろうか?)

恐らくこの4種類程度だろうかと思います。

1については、皆さん体験されているライダーも多いと思いますが、低回転からのレスポンス向上、エンブレの低減によるコーナー進入のしやすさが挙げられます。
自分も、現在まではこの状態のみ経験があります。これでも十分な効果を享受出来ております。
この場合、ケース内に生じたブローバイガスを排気する事が目的です。
あくまでも、ケースの内圧を均等にする事により、スムーズなポンピングを期待するものです。
アイドリング時等は負圧になると思いますが、エンジン回転が上がると大気圧に近づく・・と思われます。

2については、爽快チューン吉村氏がテストされている通り、スロットルバルブ低開度域での効果に優れます。
吸気負圧によるケース内の減圧である為、スロットルバルブ開度に左右される所が特徴です。
エンブレ時(スロットルバルブ全閉時)等のケース内減圧効果は相当なものと推測されます。
及びアイドリング時からスロットル低開度域でのケース内減圧効果は既存インプレの通りかと思います。

3については、排気負圧によるケース内圧減圧の為に、エンジン回転域が高まるほど排気側の流速が上がり、ケース内減圧の効果が高まります。

しかし、余りに減圧してしまうとオイル内気泡がクランクメタルを痛めたりする可能性がある為、(気圧が低くなると気泡が増大してしまう。標高の高い山に登るとポテチの袋がパンパンになるのと同じ原理か?)モトGPマシンでは真空まで抜くらしいが、これだとオイルシール等にも悪影響があり、既存のエンジンには適さない。
やり過ぎはダメってこと。

なので、NAG製のエアショット型クランクケース内圧コントロールバルブは一定圧以上ケース内圧が低下すると、外気を導入して排気負圧を一定圧に調整する機構があります。
CIMG1248.jpg
上記画像の下部にある突起部分が外気を導入する部分ですね。
アイドリング状態程度だと、エアクリとクランクケース部を繋ぐ汎用型と同じ機能(いわゆる排圧機能)が動きます。画像だとEGとACと表示されている部分ですね。
排気圧が増してくると2AIRと書いてある排気負圧を取る部分から負圧が発生し、クランクケース部の圧を抜きに掛かるのですね。

そして、高回転時に排気負圧が高まると、下部のバルブが外気開放されて、排気負圧が軽減される事で調整が可能になります。
この際、新気は排気負圧にのって排出される為に、ケース内への進入はありません。
(訂正しました)


逆にここまで調整しないと、高回転時にエンジンを痛めたり、オイルシールの機能低下・・と言うリスクが発生する訳です。
なので、単純に負圧を発生されればOKと言うものでも無いと言う事だろうと思います。

やっと理解して来ました。詳細な説明がハラ坊さんのブログにて解説されていますので、是非ご参照下さい。
自分も、ようやく内容を理解しつつある所です。
ハラ坊さん有難うございます。

4のポンプを活用した負圧発生機能も面白いです。

何回転でどの程度の負圧を発生させれば良いのかが重要でしょうが、この辺はメーカーの領域になりそうですね。
素人が手を出せそうな領域では無さそうですが・・
誰か、自作ポンプでケース内圧を減圧してたらスゴイと思います。
これだと、電動ポンプで任意に調整出来ますので、自由自在かとw。
アクセル開度か、エンジン回転数を検知しつつ、モーターを動かしてケース内圧を負圧に保つ機構か・・・・
相当変態ですねw。









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コメント

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Re: タイトルなし

ご指摘有難うございます。
訂正させて頂きました。
まだまだ理解不足ですね・・
しかし、次第に気体の流れがイメージ出来つつあります。
今日は雨なので、また妄想にふける事にします・・・

ささき

こんばんは。
いやはや減圧によるキャビテーション発生の心配とは、正に大戦末期の高高度迎撃戦の様相を呈してきましたね。
四式戦のハ45エンジンはキャビテーションの発生でオイルライン内でベーパーロック、潤滑不能でクランクメタルの焼付きが多発したとか。
他にもケース内の気圧が下がるとオイルの潜熱が低くなって熱交換率が低下するような気がするのですが・・・。

ささきさん
まさにレシプロエンジンの効率の限界値を探るテストです(笑)
でも先人は70年前に同じ課題と戦っていたかと思うと感慨深いですね。

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毎度有難いコメント恐縮です。
ピストン下部の空気変動ですね。
ポンプの原理をイメージすると理解しやすくなりそうですね。
最近エンジン内容ヘの興味が随分高まって来ました(笑)