

さて、今日は暖かいので午前中から作業開始です。
作業自体は簡単。
リアとフロントをレーシングスタンドで上げてやり、フロントフォークを浮かします。
そうしてトップブリッジ左右の固定ボルトを緩め(そうしないとトップキャップが緩みません)、トップキャップを緩めます。
ハンドルを外していた方が作業性が向上しますので、自分は外しています。

スプリングの伸びはそれほどきつく無いので、簡単に外せます。
これがトップキャップの構造。
14mmのダブルナットで締まっているキャップを外せば、スプリングにアプローチ可能です。

ワイヤリング用のステンワイヤーでここを釣っておきます。そうしないとインナーロッドが潜り込んでしまい、発掘が大変になりますね。
ここがポイントです。
後は純正スプリングを外して、XJR1300の0.80kgのシングルレートスプリングを入れるだけです。
今回は敢えてアッシュの#40をそのまま使用。
フィーリング確認後に再セッティングの予定です。
アッシュのフォークオイルはダラダラ垂れずに油切れも良く、数滴しかロスがありませんでした。
油面もほとんど変化が無いと思います。

スプリングカラーの長さは50mmでした。
ちなみに直径は34mm、結構細いです。

さて、ここからカラーの作成に入ります。
GSF純正スプリング全長は380mm、カラーが50mm、合計430mmです。
実測380mmあり、全くへたっておりません。優秀なスプリングです。
これも決して悪いスプリングでは無く、今回はあくまでも若干のレートアップとシングルレート化をしたい為なので、ご理解下さい。
ちなみにスプリング外径はどちらもほぼ37mmでした。ホッ。
内径は25mm程度です。これもほぼ同寸と言えます。
異なるのは全長だけですね。
一方XJR1300のスプリングは全長297mmなので、差し引き133mmのカラーにすればピッタリになりますね。
なので、塩ビパイプをパイプカッターで133mmに切ります。2本作製。
パイプカッターはひとつあると色々使えて便利なので、2サイズ持ってます。
ハンドルから細いパイプまで何でも切れますね。超便利です。

インナーロッドが潜らないように、作業中はトップブリッジのボルトに結んでおきます。
これで安心。
サクサクと作業が進み、あっという間に装着出来ました。
少し、塩ビパイプの直径が大きいようで(GSF純正は直径34mm、塩ビは直径38mm)、インナーチューブ内壁にピッタリでした。
ここはアルミパイプの直径36mm前後を探して作りなおしても良いかも知れません。
取りあえずスムーズに動いたので、良しとしました。
熱膨張等があるといけませんが、塩ビだから大丈夫かな?
アルミパイプも安いので、今度再作成してみます。
さて、全て締め付け完了し、実走前に1Gを測ります。
従来と同様イニシャルは全抜き。上段から4段目を基準とします。
そうすると空車1Gが113mm、乗車1Gが108mmとなりました。
(ステム下端からダストシール上端の実測値です)
従来が空車1Gが105mm、乗車1Gが99mmでしたので、それぞれ8mm、9mm分沈まなくなっています。
0Gが135mmですので、差が空車1Gが22mm、乗車1Gが27mmですね。
まずまずのレートです。
もっとイニシャルを抜こうかと思いましたが、これが限界なのでこれ以上抜くとなるとカラーを切らないといけません。
取りあえず乗って見ます。
今日は気温15℃前後、路面温度も上がりサスも動きます。
タイヤのグリップも十分なので、ちゃんと荷重を掛けて走ります。
直線では後方にクルマがいないのを確認後、フルブレーキングを数回。
フォークの実ストローク値を測ります。
さて、乗り味は・・・
いや~自然です。
純正よりも自然な乗り味のような気がしました。
純正の2段レートスプリングだと、弱い荷重域の動きでは乗り心地が良いのですが、レートが変わる際に変な挙動があります。
自分は今まで余り気にしてはいなかったのですが、シングルレートにするとこの違いが如実に感じられました。
今まではこんなもんかと思っていましたが、より自然にストロークする感じ。
これがシングルレートの良さなのだろうと感心しました。
レートが純正0.76kgに対し、今回0.80kgに若干レートアップしたフィーリングは違和感無く、本当に微妙に路面からの突き上げが増えた感じ。
でも、その分振動が細かく無く、ゆったりした動きになった為、かえって乗り心地は良くなった気がしました。
バタバタ反応せずに、ゆったり反応している感じですね。
うーん、欠点は見当たりません。
フルブレーキもちゃんと底付きせずにしっかりタイヤのグリップを確保してくれます。
と言うか、フルブレーキしやすくなりました。
極めて自然な良い感じです。
これが純正の仕様だと思えそうな感じ。
固さは感じられません。
街乗りや公道メインなら0.80kgで十分かも知れないですね。
サーキットも走るなら0.85kgとか0.90kg程度。
今回、この辺の情報も頂いたので、今後色々と遊べる余地が増えました。
懸念していたサイズの問題は一切無く、全くポン付けで行けます。
カラーの寸法だけですね、後の課題は・・・
しかし、シングルレートスプリングの変更って、大抵オーリンズやレーステックのレートアップと同時に実施されるライダーが多く、そのインプレがシングルレートのフィーリングなのか、レートアップによるものなのか、今まではっきりしませんでした。
今回自分が人柱になり、レートアップをほとんどせずにシングルレートにした事により、シングルレートのフィーリングをたっぷり味わう事が出来たと思います。
決して純正スプリングが悪いとは思いません。
日常使用では全く不満が無い、優れたスプリングだと思います。
しかし、サスのストロークを積極的にコントロールしたいライダーにとっては、シングルレートのスプリングでセッティングを出す方が楽でしょう。
乗り易いと言うのもありますが、「分かり易い」動きをするようになりますね。
いきなり0.85kgや0.90kg、1.00kg等のハイレートスプリングに変更してしまうよりも、まずは純正互換の0.80kg程度で走り込んでみて、それでも不満があれば0.85kg~への変更にチャレンジして行く・・
この辺がサスセッティングの醍醐味では無いだろうかと思います。
サーキットではごく当たり前に実行されている、レート変更によるサスセッティング、決して公道メインのライダーと無縁ではありません。
むしろ、手軽に出来るセッティングとして、オイルの粘度、油面、レートと合わせて行くべきでは無いでしょうか?
イニシャルでスプリングは固くならないので、やはりレートから手を付けるべきだと実感しました。
う~この仕様で峠を走って見たいです。楽しみ~
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